33. évasivageエヴァズィヴァージュ(摘芽): cordon de royatコルドン・ド・ロワイヤ
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枝の年齢と名前 cordon doubleコルドン・ドゥーブルの場合
今年発芽した芽が生長期を過ごした枝sarmentサルモンを0歳、
そうやって数えると、crochetクロッシェとbaguetteバゲットは1歳。
それ以外(幹、brasブラなど)の2歳~その樹の樹齢の部分をvieux boisヴュー・ボワ(vieuxは古い、boisは木という意味)と呼んでいる。
収穫が終わり葉が落ちたころの、tailleタイユ(冬の本剪定)を待つcordon doubleコルドン・ドゥーブルをかいてみた。
cordonコルドンにはbaguetteバゲットはないから、crochetクロッシェ以外のところから発芽した芽がgourmandグルマン(徒長枝)ということになる。

春のévasivageエヴァズィヴァージュ(摘芽)と冬のtailleタイユ(本剪定)が組合わさることによって、10歳と70歳のぶどう樹がならんで同じ高さの1列の垣根になることができる。
ではcordonコルドンの場合、どのgourmandグルマンをのこせば樹齢70年で40cmのvieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)が実現できるのか。
gourmandグルマン(徒長枝)をcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルに育てる
上の図のような、crochetクロッシェが4つしかないcordonコルドンにはévasivageエヴァズィヴァージュのときに、理想的な場所に発芽した1つのgourmandグルマン(徒長枝)をのこしておき、crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルに育てることができる。
2012年5月のévasivageエヴァズィヴァージュから、2014年4月のattachageアタシャージュ(baguetteバゲットの固定)までの流れをみてみよう。
évasivageエヴァズィヴァージュ 2012年5月

上の図のぶどう樹には、vieux boisヴュー・ボワ(2歳以上の部分)から発芽した芽(gourmandグルマン(徒長枝))が7つある。その中から1つを『のこしたい芽』に選んだ理由は、
・その位置が高すぎなく低くすぎないこと。
・枝に育ったときに垣根のからとびでない方向に発芽していること。
・幹の中心に位置していること。
ここに将来のcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルを位置させるのだから、慎重に選んでだいじに育てたい。
tailleタイユ(本剪定) 2013年2月

2012年5月のévasivageエヴァズィヴァージュで選んだ芽は、春夏の生長期をへて立派なgourmandグルマン(徒長枝)になった。2芽のこしてtailleタイユ(本剪定)することで、crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルになる。

brasブラをあたらしくする
-死んでしまったcrochetクロッシェや、高くなりすぎたcrochetクロッシェをもつbrasブラ-
-死んでしまったcrochetクロッシェや、高くなりすぎたcrochetクロッシェをもつbrasブラ-
tailleタイユ(本剪定) 2014年2月

この図ではcrochetクロッシェが死んでしまった場合をかいたけれども、crochetクロッシェが高くなりすぎた場合もおなじ行程を踏むことで、crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルから新しいbrasブラになるbaguetteバゲットをつくることができる。
まず、古いbrasブラをを切る。幹からあまりに近いところで切り落とすと、生きるべき維管束が乾燥してしまったり、病気の感染のリスクが上がるので、そのbrasブラの直径とおなじ長さの余裕をもって幹から切り離す。
そしてcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルの2本の枝から、1本のあたらしいbaguetteバゲットと、1つのあたらしいcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルをつくる。
attachageアタシャージュ(baguetteバゲットの固定)2014年4月

(あたらしいbaguetteバゲットがどのようにbrasブラへ生長するのか、この後の展開は重複してしまうので、crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルのページで詳しくご覧下さいませ。)
こうしてcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルのおかげで、死んでしまったcrochetクロッシェや、高くなりすぎたcrochetクロッシェをもつbrasブラがあった場所に、あたらしいbrasブラが蘇り、あたらしいcrochetクロッシェが再びぶどうを恵んでくれるようになる。
そんなcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルは、évasivageエヴァズィヴァージュでのこしておいた1つの芽だった。
10歳と70歳のcordonコルドンのぶどう樹がならんで同じ高さの1列の垣根になることができるのは、gourmandグルマン(徒長枝)を発芽できるぶどう樹の生命力と、その芽を理想的な位置だと判断しのこすこの仕事があるからだ。
理想的な位置にあるcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルが、cordonコルドンに仕立てられたvieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)にとっての若さなのだ。
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cordon doubleコルドン・ドゥーブル編

ébourgeonnageエブルジョナージュとévasivageエヴァズィヴァージュ
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-Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
évasivageエヴァズィヴァージュはぶどう樹のクロッシェとバゲット以外
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