ブルゴーニュ コート・ド・ニュイのぶどう畑散歩ガイドブック

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14-4. tailleタイユ(本剪定): guyot poussardギュイヨ・プーサール : brasブラを再生させる

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それでもどうしようもなくbrasブラが弱ってしまい、充分な太さのsarmentサルモン(新梢)を恵むことができなくなってしまったばあい。vieux boisヴュー・ボワ(ぶどう樹の2歳以上の部分)から発芽する枝、gourmandグルモン(徒長枝)を数年にわたって剪定し、あたらしいbrasブラにまで育てることができる。

guyot poussardギュイヨ・プーサールの剪定方法が重要視している、2本の管を最大限に丈夫に太らせることと、bois mortボワ・モー(枯れた部分)をつくらないことが、あたらしいbrasブラの再生には不可欠だということに注目しながら、実際の剪定のながれを見ていこう。


2017年秋、落葉後。
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tailleタイユ(冬の本剪定)、brûlageブリュラージュ(切り落とされた枝を集めて燃やす)、attachageアタシャージュ(baguetteバゲットの固定)のあと。
2018年、春におこなうévasivageエヴァズィヴァージュ(摘芽)で、必要な芽をのこす。
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これらの芽はぶどう樹のvieux boisヴュー・ボワ(2歳以上の部分)から発芽しているので、gourmandグルモン(徒長枝)と呼ばれる。



2018年秋、落葉後。
生長したgourmandグルモン(徒長枝)を、今回のtailleタイユ(冬の本剪定)で2芽のこして切ると、crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルになる。
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gourmandグルモン(徒長枝)はいくら見た目が丈夫でも、今回の剪定でいきなりbaguetteバゲットやcrochetクロッシェになることはできない。なぜなら、次の春にこのgourmandグルモン(徒長枝)から発芽する芽が生長して枝になっても、ぶどう房をつける確率が極めて低いからだ。


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そしてなにより、幹の太い管からgourmandグルモン(徒長枝)へとおる管がまだ未熟だからだ。上の図では、緑色のちいさな矢印で右のbrasブラの太い管からgourmandグルモン(徒長枝)へとおる管をイメージしている。この緑色の管を、最低でも2年間はcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルとして大切に剪定しながら、確実に樹液をとおす丈夫で太い管に育てることが重要だ。そうすれば、右側のあたらしいbrasブラにすることができる。

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2019年、落葉後。
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今回も2芽のこす。


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緑色の管も少しずつ太ってきた。


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2020年、落葉後。
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今回はbaguetteバゲットをつくってみよう。


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2021年、落葉後。
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前回の剪定(2020年)の時に右側にbaguetteバゲットをつくったことで、この年の生長期は緑色の管におおくの樹液がとおり、いっそう太く丈夫な管になった。もうあたらしいbrasブラにとっての立派な生命線になったと言っていいだろう。ふたたびcrochetクロッシェとbaguetteバゲットの位置を毎年交換できるようにもなった。



gourmandグルモン(徒長枝)が発芽する条件

gourmandグルモン(徒長枝)が発芽するには、そこに充分な太さの管がとおっていて、bois mortボワ・モー(枯れた部分)がないことが最低条件だ。なぜなら、管がなければ樹液がとおれないから発芽はありえないし、そこにbois mortボワ・モー(枯れた部分)ががあれば物理的に邪魔されて発芽することができないからだ。


とくに、途中まで樹液をたくさん流せる丈夫で太い管があるにもかかわらず、その先の管があまりにも細かったり、その先の芽が少ないときぶどう樹は、樹を大きくするため・多くの葉を広げて糖分をたくさん稼ぐためにgourmandグルモン(徒長枝)を発芽させる。


つまり、guyot poussardギュイヨ・プーサールの剪定では、2本の管を最大限に丈夫に太らせることと、bois mortボワ・モー(枯れた部分)をつくらないことが重要視されているから、途中から管が細くなったり、芽が少なくなるという悪い状況になると、自動的にgourmandグルモン(徒長枝)が発芽しやすい状態になるということなのだ。


guyot poussardギュイヨ・プーサールは、ぶどう樹の解剖と生理をよく知ったからこそ生まれた仕立て方だというのにも納得がいく。


おかげで、brasブラが弱ってしまってもgourmandグルモン(徒長枝)が発芽するから、あたらしいbrasブラを再生することができる。あたらしいbrasブラががあるからこそ、ぶどう樹はぶどう房を恵みながら生長しつづけることができる。gourmandグルモン(徒長枝)の発芽は、ぶどう畑で生きるぶどう樹の寿命に直結しているのだ。


2本の管を最大限に丈夫に太らせることと、bois mortボワ・モー(枯れた部分)をつくらないことは、まさにvieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(ぶどうの老樹・古木)の仕立て方を考えるときに不可欠な視点だ。




 



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VV1300100.jpg Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方 もくじ
 このカテゴリーのもくじです。



VV14-1150100.jpg 14-1. tailleタイユ(本剪定): guyot poussardギュイヨ・プーサールとは
 -Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
 ぶどう樹の解剖と生理をよく知ったからこそ生まれた仕立て方



VV14-2150100.jpeg 14-2. tailleタイユ(本剪定): guyot poussardギュイヨ・プーサール
 -Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
 1年毎のcrochetクロッシェとbaguetteバゲットの位置の交換という
 新しい方法が導入されている。実際に剪定してみよう。



VV14-3150100.jpeg 14-3. tailleタイユ(本剪定): guyot poussardギュイヨ・プーサール
  : brasブラの発育がわるくなってきたばあいの剪定

 -Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
 充分な太さのsarmentサルモン(新梢)を生長させられない状況で
 考えられるのが、この2つの例外的な剪定方法。



 31. évasivageエヴァズィヴァージュ(摘芽)
 -Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
 évasivageエヴァズィヴァージュはぶどう樹のクロッシェとバゲット以外
 の場所に発芽した芽のなかから必要な芽をのこして芽を摘むことだ。


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