ブルゴーニュ コート・ド・ニュイのぶどう畑散歩ガイドブック

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43. traitementトレットモン(農薬散布): oïdiumオイディウム(うどん粉病)の性質

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oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorの4つのかたち

oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorは、4つのことなるかたちmycéliumミセリウム(菌糸体)、cléistothèceクレイストテス(子嚢殻)、ascosporeアスコスポル(子嚢胞子)、conidieコニディ(分生胞子)になることができる。



夏から秋にかけて、2つのmycéliumミセリウム(菌糸体)が有性生殖をしてできるのが、寒さに強いcléistothèceクレイストテス(子嚢殻)。ブルゴーニュではおもにこのかたちで越冬する。



冬を越して春、cléistothèceクレイストテス(子嚢殻)が割れて、中にはいっていたascosporeアスコスポル(子嚢胞子)が出てくる。ascosporeアスコスポル(子嚢胞子)が発芽・生長するとmycéliumミセリウム(菌糸体)になる。



mycéliumミセリウム(菌糸体)は無性生殖でconidieコニディ(分生胞子)をつくる。conidieコニディ(分生胞子)は飛び散り、発芽・生長するとmycélium ミセリウム(菌糸体)になる。mycélium ミセリウム(菌糸体)はまたconidieコニディ(分生胞子)をつくる。conidieコニディ(分生胞子)はまた飛び散り、発芽・生長するとmycélium ミセリウム(菌糸体)になる・・くりかえし。


この病害の名前の由来にもなっている、はたいたうどん粉(小麦粉)のような症状の正体は、発芽・生長・増殖・感染をくりかえした大量のmycélium ミセリウム(菌糸体)とconidieコニディ(分生胞子)だ。



oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorの1年間のサイクル

oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因となるカビérysiphe necatorの性質と、生き物としての1年間のサイクルをみてみよう。


第1次感染
雨や霧によって高い湿度がたもたれ気温が11度を上回る、3月から5月にかけて、ぶどう樹の表面で冬を越した寒さに強いcléistothèceクレイストテス(子嚢殻)が割れて、ascosporeアスコスポル(子嚢胞子)を放出する。

ascosporeアスコスポル(子嚢胞子)は、風や雨、衝撃などで散乱する。そしてぶどう樹のみどりの器官の表面で発芽する。ascosporeアスコスポル(子嚢胞子)が発芽・生長しmycéliumミセリウム(菌糸体)になれば、ぶどう樹のみどりの器官の表面にしっかりくっついて、吸器をつかってぶどう樹から栄養を譲ってもらう。ミルデューが気孔から侵入し内側に寄生するのとは逆に、オイディウムはこうしてぶどう樹の器官の外側に寄生するのだ。ところが葉の表面に水の層があると、mycéliumミセリウム(菌糸体)はこの吸器を形成することができないという弱点がある。都合のよい条件がそろえば、第1次感染となる。


潜伏期
まだ肉眼では確認できないけれど、カビはぶどう樹からの栄養で生長と増殖をつづける。気温6~30度で発芽・生長・増殖することができる。このカビにとっての好ましい気温は20~25度で、このとき活動がもっとも活発になる。潜伏期間は気温によって変化し、2~4週間とされている。


斑点の出現
カビは数が増えつづけることで葉の裏側に灰色がかった白いちいさな斑点としてあらわれ、肉眼で確認できるようになる。ブルゴーニュのばあい、最初にみつかる症状は葉の斑点であることがおおい。症状がすすむと次第におかされた葉脈が壊死し、黒みがかった茶色になっていく。最後は、白い斑点が葉の表側にあらわれる。


胞子の形成
雨や露による湿度があれば、mycéliumミセリウム(菌糸体)が無性生殖によりconidieコニディ(分生胞子)をつくることができる。また、葉の表面にあるような水分は、conidieコニディ(分生胞子)の発芽と生長にとっては好ましい条件だ。しかし、conidieコニディ(分生胞子)は水の中では膨張して割れてしまうという弱点がある。


第2次感染と第2次潜伏期
葉でmycéliumミセリウム(菌糸体)が増え、conidieコニディ(分生胞子)が豊富につくられると、雨や風でぶどう樹のほかの葉やぶどうの花の房など若い器官に飛びちり、感染する。感染後はそのあたらしい場所で生長、増殖をはじめる。

とくに将来のぶどう果粒になる花・ぶどう房になる花の房へは、開花時と結実時がもっとも感染のリスクが高い。花の蕾・まだ小さい果粒・花梗の表面に灰色がかった白い粉末がひろがるという症状がではじめ、果粒は重症化するとかたくなり果汁を失って割れてしまう。

茎や枝でも灰色がかった斑点がではじめ、次第に斑点がところどころに集中するようになる。斑点がある枝が木化(生長段階のひとつ。緑だった茎が葉緑素を失って茶色くなりかたい木になること。)すると赤みがかった茶色い斑点になる。

conidieコニディ(分生胞子)の発芽までの期間は5~7日で、湿度にくわえて気温によっても変動する。基本的に気温が高ければよりよく生長する。


サイクルができあがる
いくつもの生長・増殖・斑点の出現・胞子の形成・感染がいたるところで、湿度と気温におうじたサイクルで繰り返しおこる。


cléistothèceクレイストテス(子嚢殻)の形成
2つのmycéliumミセリウム(菌糸体)が有性生殖し、寒さに強いcléistothèceクレイストテス(子嚢殻)を形成する。成熟すれば、越冬することができる。


冬季の休眠
oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorは、2種類のかたちで冬を越すことができる。cléistothèceクレイストテス(子嚢殻)と、mycéliumミセリウム(菌糸体)だ。

cléistothèceクレイストテス(子嚢殻)は寒さに強いので、秋までに被害をこうむった器官にくっついたまま冬を越す。oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorは、ブルゴーニュではいっぱんてきにこちらのかたちで越冬する。

mycéliumミセリウム(菌糸体)は、ぶどう樹のbourgeon dormantブルジョン・ドルモン(休眠芽)の中で、もうすでに若葉に感染している。来春この芽が発芽すると、風がないときの旗のように葉がだらんと垂れてしまい、健康な葉のように生長することができない。でも、このかたちでの越冬はブルゴーニュのぶどう畑ではほとんどみられないようだ。


春の第1感染へ






 




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