ブルゴーニュ コート・ド・ニュイのぶどう畑散歩ガイドブック

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42. traitementトレットモン(農薬散布): oïdiumオイディウム(うどんこ病)

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oïdiumオイディウム(うどん粉病)とは

oïdiumオイディウム(うどん粉病)はérysiphe necatorという名のカビが、春に発芽したぶどう樹のみどり色の器官に寄生することによっておこる病害だ。

ブルゴーニュは年によって気候条件が大きく変動するから、mildiouミルデュー(ベト病)とおなじように、oïdiumオイディウム(うどん粉病)が蔓延するリスクは年ごとにまったくちがう。

oïdiumオイディウム(うどん粉病)のカビérysiphe necatorが好む条件で、対策をなにもしないでおけばおおくの収穫量を失いかねないし、ばあいによっては完全に失うこともありうる。


oïdiumオイディウム(うどん粉病)とmildiouミルデュー(ベト病)が同時に蔓延することはないけれど、発生する時期や好みの条件がびみょうに似かよっているので2つの農薬を混ぜて散布されることが多い。



ぶどう樹のoïdiumオイディウム(うどん粉病)をふせぐ方法

ぶどう樹に葉を茂らせすぎると風が通りぬけることができず、湿気がとどまりoïdiumオイディウムの温床になる。 だからébourgeonnageエブルジョナージュ(摘芽)のときにのこす芽の数と位置を見極めることがたいせつ。このことはmildiouミルデュー対策とおなじだ。



そして、effeuillageエフイヤージュ(茂りすぎた葉を1本の枝につき数枚とりのぞくこと)も有効だ。effeuillageエフイヤージュについて詳しくみていく前に、まずはぶどう樹の列についての動画から。

最初にみえている区画は、ぶどう樹が南北に列をつくっている。そして道をはさんで次にみえる区画は、ぶどう樹が東西に列をつくっている。ちなみに道のむこうに小さくみえているのはclos de vougeotのシャトー。


こちらはまだ別の区画。真冬の写真ですいません。葉が1枚もない

コート・ド・ニュイの丘は南北にながく連なっている。ぶどう畑は南北に連なる丘の東側から平地にひろがっている。その畑でぶどう樹の垣根は、おおむね南北または東西の列になっている。すると、夏期は1日のうちに厳しい日差しが長く当たっている面ができる。南北の畝なら西側。東西の畝なら南側というぐあいだ。

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だからeffeuillageエフイヤージュ(摘葉)では、南北の列のぶどう樹の垣根にたいしては西側の葉はのこし東側のぶどう房のまわりの葉をとりのぞき、東西の列の垣根にたいしては南側の葉はのこして北側のぶどう房のまわりの葉をとりのぞく。そうすることで、厳しい日光でぶどう房が焼きついてしまうことを防げるし、風通しがよくなるし、散布した農薬が効率よくぶどう房を守ることができる。最小限の農薬で、より高い効果をだすための重要な仕事だ。



生態学的対策
アメリカではampelomyces quisqualisというoïdiumオイディウムに対して敵対するカビを使用することが許されている・・らしいけれどどうやって頑張ってもらうんだろう・・。
現在ブルゴーニュでは許可されていない。



ぶどう樹のoïdiumオイディウム(うどん粉病)に対してはどうしても農薬散布がひつよう

ただ、いくら適切にébourgeonnageエブルジョナージュ(摘芽)やeffeuillageエフイヤージュ(摘葉)をしても、oïdiumオイディウム(うどん粉病)の気候条件によって被害はでうる。mildiouミルデュー(ベト病)とおなじ理屈だ。そこで現在、oïdiumオイディウムの蔓延を防ぐためにおこなわれているのがtraitementトレットモン(農薬散布)だ。


それでは的確なタイミングで農薬散布をおこなうため、oïdiumオイディウム(うどん粉病)の原因のカビérysiphe necatorがもつ特有の性質や弱点をみていこう。






 



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 春に発芽したぶどう樹のみどり色の器官(0才の部分)が罹る
 カビに起因する病気の蔓延をふせぐためにおこなう農薬散布を
 traitementトレットモンと呼んでいる。


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 -Vieille Vigneヴィエイユ・ヴィーニュの仕立て方-
 mildiouミルデュー(ベト病)はplasmopara viticolaという名のカビが
 春に発芽したぶどう樹のみどり色の器官に寄生することによっておこる
 病害だ。


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 もともとミルデューの原因のカビplasmopara viticolaは
 フランスにはなかった。


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